【4月10日 AFP】太陽エネルギーのみで飛行するスイスのソーラー飛行機「ソーラー・インパルス(Solar Impulse)」の開発者らが9日、後継機となる「ソーラー・インパルス2(Solar Impulse2、HB-SIB)」をスイス・パイエルヌ(Payerne)で公開した。同機による世界一周のテスト飛行が1年後に予定されている。

 初代のソーラー・インパルスは昨年、燃料を全く使わずに米大陸横断を成功させている。

 スイスのパイエルヌ(Payerne)空軍基地で、政府高官や外交官、そしてスポンサーら500人以上を前に、元スイス空軍のジェット機パイロットのアンドレ・ボルシュベルク(Andre Borschberg)氏は、「これら2機は、これまでに設計された飛行機の中で最もエネルギー効率に優れている」と述べた。

 ソーラー・インパルス2は前型機より大きく、翼幅は72メートル。これはエアバス(Airbus) A380に匹敵するが、機体重量はわずか2300キロで、A380の1%以下に抑えられている。材料として使用されている1平米25グラム以下の炭素繊維(カーボンファイバー)の層がこれを可能としている。

 翼と胴体には、1万7248個の太陽電池(ソーラーセル)が設置されており、これが同機の動力源となる。

 ボルシュベルク氏によると、少なくとも120時間ノンストップで地球1周飛行ができるようになることが目標だという。同機は、来月から始まるスイスでの試験飛行の後、2015年3月1日以降に気象条件が理想的となるペルシャ湾(the Gulf)から東に向けて飛び立つ予定となっている。(c)AFP/Agnes Pedrero