■無敵のバイエルンもリーグ戦では一休み

 グアルディオラ監督がかつて、前シーズン限りでユナイテッドを勇退し、モイーズ監督を後任に指名したアレックス・ファーガソン(Alex Ferguson)監督の理想の後継者の1人とみなされていたことも、ファンにとっては複雑だろう。

 スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)を、21世紀で最初の真に偉大なチームへと鍛え上げたグアルディオラ監督は、現在はユップ・ハインケス(Jupp Heynckes)前監督の下で昨シーズン前人未到の3冠(トレブル)を達成したバイエルンを、さらに成長させることに目標を定めている。

 今季のバイエルンは、ブンデスリーガのシーズン無敗、さらにチャンピオンズリーグ(Champions League)の名称になって以降のヨーロッパチャンピオンズカップ(European Cup)連覇という、史上初の快挙達成を目指している。

 バイエルンはすでに今季2度、イングランドで印象を残しており、チャンピオンズリーグのグループリーグではマンチェスター・シティ(Manchester City)を3-1で圧倒し、決勝トーナメント1回戦ではアーセナル(Arsenal)に2-0で快勝した。

 それでもグアルディオラ監督は、3月29日の1899ホッフェンハイム(1899 Hoffenheim)戦で2点のリードを守り切れず3-3で引き分け、昨年10月5日以来初めてリーグ戦で勝ち点を落としたことで、選手に厳しい言葉をかけた。

 監督は「何が起こったのかを分析しなくてはならない。今日(ホッフェンハイム戦)の後半のようなプレーをしていては、1日のマンチェスター・ユナイテッド戦でわれわれが有利だなどとは言えない」とコメントしている。

 バイエルンは試合に引き分けただけでなく、MFのティアゴ・アルカンタラ(Thiago Alcantara do Nascimento)が膝の靱帯(じんたい)を部分断裂し、8週間前後の離脱になるという代償も支払っており、さらにユナイテッド戦では、CBのボンフィム・ダンテ(Dante Bonfim Costa Santos)が累積警告のため出場できない。

 一方のユナイテッドも守備陣に深刻な問題を抱えており、左サイドバックのパトリス・エヴラ(Patrice Evra)が出場停止のほか、リオ・ファーディナンド(Rio Ferdinand)、クリス・スモーリング(Chris Smalling)、ジョニー・エヴァンス(Jonny Evans)、ラファエウ(Rafael da Silva)の状態にも不安がある。

 ユナイテッドが1998-99シーズンのチャンピオンズリーグ決勝でバイエルンを2-1で破ったのは有名だが、その後は強豪バイエルンが、直近の2009-10シーズンを含めてベスト8で2度ユナイテッドと顔を合わせ、どちらも突破を果たしている。(c)AFP/Tom WILLIAMS