【3月31日 AFP】30日に行われたフランス地方選挙の決選投票で、パリ(Paris)市長選に出馬した左派与党・社会党に所属するアンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)氏(54)が予想外の勝利を収め、同市初の女性市長となる見込みになった。一方、フランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領が率いる社会党は、他の地域では大敗し、極右政党・国民戦線(Front NationalFN)が大躍進を果たした。

 スペイン生まれのイダルゴ氏は、中道右派野党・国民運動連合(UMP)の対立候補で元閣僚のナタリー・コシウスコモリゼ(Nathalie Kosciusko-Morizet)氏との接戦を予想されていたが、出口調査によると決選投票で54.5%を獲得。同氏の追い上げを楽にかわした。

 フェミニストで社会主義者のイダルゴ氏は、ベルトラン・ドラノエ(Bertrand Delanoe)現市長の第一助役を13年間務め、これまで表舞台に出ることはあまりなかった。

 1959年にスペイン南西部カディス(Cadiz)近郊で生まれ、幼少期にフランスに移住。リヨン(Lyon)郊外の労働者階級地域で育ち、14歳の時に仏国籍を取得した。労働監視官として働いた後、フランスの週35時間労働を立案したマルティヌ・オブリ(Martine Aubry)元労働相の顧問となった。社会党入党は比較的遅く30代半ばで、当時の社会党党首はリオネル・ジョスパン(Lionel Jospin)元首相だった。

 一方、初期開票結果によると、国民戦線は人口900人以上の町で行われた少なくとも11の選挙で勝利。全国の地方議会では計1200の議席を獲得する勢いで、地方選では同党史上最大の勝利を収めている。(c)AFP/Angus MACKINNON