■会場の観衆を魅了したフリー

「とてもうれしいです」と語った羽生だが、2日前のショートでは冒頭の4回転ジャンプに失敗しており、「SPでの失敗が、このような合計点数に表れてしまいました」とコメントした。

 さらに羽生は「全体的には、大会を楽しむことができました」と述べたものの、ジャンプについて「まだ完璧に安定していない」とつけ加えた。

「これからもっと練習を積むつもりです。今大会で勝つことは自分の責任だと感じていました」

 羽生は、最初のジャンプで難易度の高い4回転サルコーに成功すると、続く4回転トーループと3種類のコンビネーションを含めた6つの3回転ジャンプをきれいに決め、さいたまスーパーアリーナを埋め尽くした1万8000人の観衆から大喝采を受けた。

 世界選手権3連覇のパトリック・チャン(Patrick Chan、カナダ)を先月のソチ五輪と昨年12月のグランプリ(GP)ファイナルで下した羽生は、ニーノ・ロータ(Nino Rota)作曲の「ロミオとジュリエット(Romeo and Juliet)」に乗せて、ステップシークエンスと2種類のスピンで最高評価のレベル4を獲得した。