【3月27日 AFP】(一部更新)ロシア政府関係者が米アップル(Apple)のタブレット型端末「iPad(アイパッド)」の使用をやめ、韓国サムスン電子(Samsung Electronics)の端末に切り替えたことが明らかになった。26日、ニコライ・ニキフォロフ通信情報相が認めた。セキュリティー強化のためという。

 これに先立ち、閣議に出席した閣僚たちがそれまで使っていたiPadを使用していないことに記者たちが気付いた。その後、ニキフォロフ通信情報相が「少し前に(変更を)実施した」と確認した。

 同相によると、導入されたサムスンのタブレット型端末は「特別に保護された端末で、機密情報も扱える」という。

 ただ、ニキフォロフ通信情報相は今回の対応について、ロシアがウクライナ・クリミア(Crimea)半島を自国に編入したことを受けて欧米が強化した対露制裁への対抗措置ではなく、米IT企業への締め付けを強化する意図はないと明言した。

 その一方で同相は、米国が通信傍受の範囲を著しく広げており、露政府の契約企業の多くに深刻な懸念をもたらしているとする報告に言及。「ロシアの企業は、特に国営企業では、IT分野のパートナーをより慎重に選ぶようになっている」と述べ、今後は韓国企業や中国企業がロシアにとって選択肢となり得るとの見方を示した。(c)AFP