同氏によると、捜索海域を南東インド洋海嶺(かいれい)(Southeast Indian Ocean Ridge)が横断しているため、この付近の海底は起伏が激しく、マグマの流れによって常に形状が変化している。また、平均して水深3000メートル付近にあるこの海嶺は、南極プレートとオーストラリアプレートが衝突する地点に形成された「極めて活発な」火山帯だという。

 同氏はAFPに対し、「残骸が(火山活動が)活発な領域に落ちたとすれば非常に不運で、(回収作業は)さらに困難になる」と語り、「でこぼこしていて、断層や細かい溝、海嶺に覆われている上、(地質学的に見れば)新たに形成されたばかりで堆積物も多くない」と説明している。

 同機が説明のつかないほど大きく針路を外れ、予定されていなかった方向に数千キロも飛行した理由を特定するには、フライトデータとコックピットの音声記録が不可欠だ。マレーシア当局は、搭乗していた何者かが意図的に針路を変更したという見方を示している。

 豪シドニー大学(University of Sydney)の航空専門家、ピーター・ギベンス(Peter Gibbens)氏は、ブラックボックスが発する追跡信号は電池が切れる約2週間後に消えてしまうことから、捜索は時間との闘いになると指摘。「時間が経つにつれて難しくなる。情勢は不利だ」と話している。(c)AFP/Neil SANDS