■問題となる「ちり」の要素を追加

 だが研究チームは、デリケートな機器類が火星上でどのように動作するかのカギになる要因を新たにもう1つ組み入れたと論文の中で説明している。

 真空槽の技術開発を担当するヘスス・ソブラード(Jesus Sobrado)氏は「惑星探査の主要な問題の1つである火星のちりに機器類がどのような反応を示すのか──その理解を深めるために、ちりの影響についてシミュレーションを行っている」とした。

 真空槽は「火星や他の同類の惑星に関する多くの疑問に、科学的および技術的観点から答えを出すことができる」と同氏は付け加えた。

 NASAの火星探査車は、2012年に打ち上げられたキュリオシティーと、それより小型で、活動10年目を迎えたオポチュニティー(Opportunity)の2台が、現在も探査活動を続けている。

 研究チームは、火星シミュレーターに加えて、他の惑星や、木星の氷に覆われた衛星のエウロパ(Europa)、星間空間や惑星間空間などの環境を再現する真空槽も作製している。(c)AFP