■ブレイビク受刑者信奉者たちの「巡礼の地」にも

 この母親をはじめ、計画に反対する遺族たちは、プロジェクトの見直しを求めている。

 プロジェクトが計画されている地元住民たちからも「これから毎日、あの虐殺のことを思い起こすようになるのはつらい」、「思い出させてもらう必要はない」といった声が上がっている。

 碑に反対する人たちは、ソーシャルメディアのフェイスブック(Facebook)で反対キャンペーンを展開している。すでに賛同者900人が集まっており、「自然へのレイプだ」「観光客目当てだ」と非難する声の他、ブレイビク受刑者信奉者たちにとっての「巡礼地」になりかねないとの意見も出ている。

 さらに問題を複雑化しているのは、地質学者のハンス・エリック・フォス・アムンセン(Hans Erik Foss Amundsen)氏が、予定地の岩が多孔質で、犠牲者の名前を刻んだところで粉々になってしまうと指摘していることだ。プロジェクトについて同氏は「砂利の山を掘るようなものだ」と述べている。

 しかし、プロジェクトの支持者たちはあくまで強気で、計画を中止することは考えていないという。碑は2015年7月22日の完成を予定している。(c)AFP/Pierre-Henry DESHAYES