■「動物のように扱われた」、住民が語るセレカの恐怖

 宗教紛争の激化にともない、既に中央アフリカに展開していたアフリカ連合(AU)部隊の支援のため、旧宗主国のフランスは軍を派遣した。大量虐殺(ジェノサイド)が起きる恐れがあるという援助団体や各国政府の報告を受け、国連(UN)は先月10日、調査団を中央アフリカに派遣した。

  オレンジ色のタンクトップ姿のジョアンナ・インディエンさん(20)は、セレカに夫を殺されたという。残された3人の子供をバンギ近郊のバンボ(Bimbo)に住む母に託し、自らは自警団に入った。

「子供たちに会いたい。でも国を守らなくては。バンボなら安全だ。私がここにいるのは、ここか危険だから」と、彼女は言う。

 モンキー島で農業を営むジャンアナトール・クワレさん(59)は1週間前に「あの女の子たち」が現れたときに「とても驚いた」と語る。自警団の女性たちに「アマゾネス」とニックネームをつけたのは、クワレさんだ。「男でも女でも変わらない。私たちは今、安全を感じているから」と彼は言う。

 クワレさんはセレカがジョトディア氏を暫定大統領に据えていた約10か月間の恐怖を語る。「セレカは私を縛り上げて殴った。彼らは私たちを動物のように扱った」

 セレカは首都バンギでは、ほぼ完全にその姿を消した。しかし、モンキー島の大半の住民と同じようにクワレさんも、セレカはまだ川岸に潜んでいると信じている。(c)AFP/Stéphane JOURDAIN