■汚職関与の証拠?ツイッターで流出

 2003年に就任したエルドアン首相はカリスマ的指導者だが、次第に専制色を強めている。こうした中、首相と親しい実業家や政治家を巻き込んだ大規模な汚職疑惑に首相自身が中心的に関与していたことを音声記録がソーシャルメディア上に流布し、首相への圧力が高まっている。

 流出した音声記録には、首相が息子と隠し金について話しているとみられる内容や、事業契約への首相の介入を示唆する内容の音声記録が含まれ、中でも特に首相に打撃となる暴露情報の一部が流れたのがツイッターだった。この情報を投稿したアカウント「@Haramzadeler(盗賊の息子)」を管理する人物は、大量の機密書類や捜査に関わる警察の盗聴情報を入手できる立場にあるとみられている。

 エルドアン首相は、これらの音声記録を政敵による「卑劣な」ねつ造だとはねつけ、30日の地方選後には動画投稿サイトのユーチューブ(YouTube)や交流サイト(SNS)のフェイスブック(Facebook)を禁止すると脅していた。

 首相は日ごろからインターネットに懐疑的な姿勢をあらわにしており、昨年にはツイッターについて、大規模な反政府デモの組織に手を貸している「脅威」だと評したこともある。(c)AFP/Fulya OZERKAN