【3月19日 AFP】ウクライナ南部クリミア(Crimea)半島の軍事基地が18日、「武装集団」の襲撃を受け、同国の兵士1人と親ロシア派の民兵1人が死亡した。親ロシア部隊が約3週間前に同半島を掌握して以降、死者が出たのは双方にとって初めて。ウクライナ暫定政権は事件を受け、ロシアとの対立が「軍事段階」に入ったと警告し、兵士らに自衛のための発砲を許可した。

 襲撃事件は、クリミア半島をロシアに編入する条約に、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領が調印した数時間に起きた。

 ウクライナのアルセニー・ヤツェニュク(Arseniy Yatsenyuk)暫定首相は、同国全土に向けテレビ放映された政府の緊急会議で、「この対立は政治的な段階から軍事的段階へと移行しつつある」と発表。「ロシア兵らがウクライナ軍に向けて発砲を始めた。これは戦争犯罪だ」と述べた。

 オレクサンドル・トゥルチノフ(Oleksandr Turchynov)大統領代行も、「ウクライナの兵士らが流した血」の責任は「ロシア連邦、とりわけプーチン大統領にある」との声明を発表した。