【3月18日 AFP】消息を絶ったマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH370便について、マレーシア当局に知り得ているすべての情報の公表を求める中国の執拗(しつよう)な要求は、08年の四川大地震など、中国自身が惨事に見舞われた際に隠し立てをしてきた歴史とは極めて対照的だと評論家たちが指摘している。

 中国国営新華社(Xinhua)通信によると、同国の李克強(Li Keqiang)首相は17日、マレーシアのナジブ・ラザク(Najib Razak)首相に対し、行方不明のMH370便について「時宜を得た正確かつ包括的な方法で」詳細情報を提供してほしいと求めた。

 同機が消息を絶って以来、1週間以上にわたり中国の国営メディアでは、マレーシア政府とマレーシア航空に対し、さらなる情報開示を要求する批判的な論説を展開し続けている。

 新華社はいくつかの社説の1つで「透明性の確保なしには、大規模な国際的捜索活動は、われわれが望み期待するほどの成果を上げることはできない」と突き上げた。

 一方で、17日の中国外務省定例会見で、捜索活動における中国の役割を質問された洪磊(Hong Lei)報道官は詳細を明かすことを拒絶した。

 中国は自国領空内に不明機が進入した可能性を除外できるのか。搭乗していた中国人153人に関する捜査は行われているのか。中国は海上だけではなく陸上も捜索しているのか。衛星データでは同機が飛行した可能性が示されている、政情不安定な中国西部のチベット(Tibet)自治区や新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)でも捜索は行われているのか。

 矢継ぎ早に飛んだ質問に対し、洪報道官は事実関係を語らず「関連する捜索活動を実施中だ。捜索活動の遂行について、われわれはマレーシア側と積極的に協力していく」とだけ述べた。