■情報の流れの統制

 新華社は18日になって、中国の黄恵康(Huang Huikang)駐マレーシア大使の談話として、中国当局が自国領内で行方不明機の捜索を開始していたことを報じた。また中国当局は前週、海に浮かぶ3個の物体の衛星写真を公開したが、撮影から3日経って公開したことに関する説明は一切なかった。

 国際ジャーナリスト連盟(International Federation of JournalistsIFJ)は声明を発表し「中国当局が依然、本当に必要とされている情報の流れを統制するような手法を使い続けていることは大変に遺憾だ」と述べた。

 中国当局の口が重いのは、捜索に参加している国々の顔ぶれを見れば、人道的配慮よりも地政学的に大きく慎重さが要求されるため、驚くことではないという専門家もいる。

 一方中国は、一党独裁の中国共産党にとって恥となりそうな出来事を、厳格な情報統制と、独立した検証の試みに対する妨害によって隠ぺいしてきた長い歴史がある。08年の四川大地震、11年に浙江(Zhejiang)省温州(Wenzhou)郊外で起きた高速鉄道事故、最近では昨年10月の天安門(Tiananmen)広場での自動車の突入炎上事件、今月雲南(Yunnan)省昆明(Kunming)駅で起きた無差別殺傷事件など、枚挙にいとまがない。

 特に自国領内で起きた航空機の墜落については、中国当局は通常、非常に慎重に取り扱う。報道陣は事故現場へのアクセスを制限され、墜落に関する報道自体を完全に阻止されてきた。当局にとって好ましくない報道は、「国家秘密法」によって公表を妨害されると、人権擁護団体などは指摘している。

 新華社や中国中央テレビ(CCTV)などの中国国営メディアは、MH370便が失踪してからこれまで各国メディアが伝えた際のようなスクープ報道ができていないと、中国のインターネット・ユーザーからも批判が強まっている。

 中国のマイクロブログ、新浪微博(Sina Weibo)のあるユーザーは「今回の事件の扱いについて、最も責任を持ってニュースを報道していて頼れるのは依然、欧米メディアだ。一方でマレーシアと中国は、無責任な官僚体質、誤報だらけのニュース報道、他社の記事に便乗しそれを掲載し直すだけの国営メディア陣をさらけ出しているだけだ」と書き込んでいる。(c)AFP/Felicia SONMEZ