惑星Xとネメシス、赤外線観測で「謎の存在」否定か?
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■惑星Xの歴史
科学者らが最初に惑星Xの存在を推測したのは1781年、ガス状巨大惑星の天王星が発見された時だ。天文学者らは、天王星の軌道が物理学者アイザック・ニュートン(Isaac Newton)の万有引力の法則に矛盾すると考えられる変動を示したため、大変驚いた。
そこで観測天文学者らは、この不規則性を重力の影響を及ぼしている別の未知の惑星の存在で説明できるかもしれないと考えた。
この正体不明の惑星Xを探求する試みは、1846年の海王星の発見につながった。だが海王星の推定質量では、天王星の軌道の誤差を説明できなかった。
これにより天文学者らの惑星X探しは続くことになり、1930年に冥王星が発見された。だがこの準惑星も小さすぎるため、天王星の不規則な公転軌道の説明にはならなかった。
その後、研究者らは1990年代に、これまでの海王星の推定質量が少し大きすぎたと判断。これは、海王星が実際には天王星の軌道の挙動を説明する理由になるかもしれないことを意味している。
それでも惑星Xの存在を信じている人々を納得させるまでには至らなかった。