【3月18日 AFP】米ハーバード大学(Harvard University)の黒人学生たちが、米国の著名な黒人詩人の詩の一節を借り、ソーシャルメディアを活用して、人種のステレオタイプに挑戦している。この活動は大きな反響を呼び、同様の取り組みが海を越えて欧州の大学生の間に広まっている。

 ハーバード大学の学生2万1000人のうち、アフリカ系米国人の学生はわずか1100人余り。人気ブログプラットホーム「タンブラー(Tumblr)」上に作られたブログ「I, Too, Am Harvard(私もまた、ハーバードだ)」は、ハーバード大学生63人が大学内で聞いた「いらいらする発言」や「見下したような発言」を紹介する内容で、多くの閲覧数を獲得している。

「君のしゃべり方は黒人っぽくなくて、賢く聞こえる」。ある学生は、自分がかつて言われた発言を、手に持った黒板につづっている。別の学生は、「君は私の知る中で一番白人っぽい黒人だね」と書いた。

「このクラスが多様性に欠けているからといって、私が全黒人の代弁者になるわけじゃない」と、白人のクラスメートに訴える学生もいた。

 このブログが立ち上がって以降、同様のブログが英国のオックスフォード大学(University of Oxford)やケンブリッジ大学(University of Cambridge)、そして、アイオワ大学(University of Iowa)などの米大学にも登場した。

 ブログのタイトルは、米国の黒人詩人、故ラングストン・ヒューズ(Langston Hughes)の詩「I, Too, Am America(私もまた、アメリカだ)」をもじったもの。ブログは、ハーバード大の黒人学生たちへの取材に基づいた同名の戯曲の公演に合わせて企画された。

 ブログには、「このキャンパスではしばしば、私たちの声は聞かれず、経験は過小評価され、存在は問題視される」と書かれている。アドレスは「www.itooamharvard.tumblr.com」。(c)AFP