【3月12日 AFP】ウクライナのオレクサンドル・トゥルチノフ(Oleksandr Turchynov)大統領代行は11日、AFPの独占インタビューに応じ、ウクライナは「ロシア政府が書いた筋書き」に従うことは拒絶するが、クリミア(Crimea)半島への軍事介入は行わないと述べた。

 ウクライナ南部クリミア半島は現在、ロシアが支援する部隊に実効支配されており、黒海(Black Sea)の戦略的要衝である同半島がウクライナから離脱する恐れが高まっている。

だが、トゥルチノフ大統領代行は、同国南東部で軍事作戦を実施すれば、東側のロシアとの国境を脅威に晒すことになるので、ウクライナ暫定政権にその意図はないと語った。

 トゥルチノフ氏は「ウクライナの東側の国境周辺にはおびただしい(ロシアの)戦車部隊が集まっている」と述べ、「彼らはわれわれを挑発して、ウクライナ本土に介入する口実を作ろうとしている…(しかし)われわれはクレムリン(ロシア政府)が書いた筋書きには従うことはできない」と述べた。

 ロシア語圏であるウクライナ南部および東部では緊張が高まり、大規模なデモが発生。ドネツク(Donetsk)やルガンスク(Lugansk)の街ではデモ隊が自治体庁舎などに押し入っている。

 クリミア半島ではロシアへの編入の是非を問う住民投票が16日に予定されている。親ロシア派が占めるクリミア議会は11日、ロシア編入に先立つ手順として、ウクライナからの完全独立を決議した。

 しかしトゥルチノフ大統領代行は、16日の住民投票について「でっち上げだ。クリミアの人々の大半は棄権するだろう」とはねつけ、「彼らが住民投票と呼んでいるものは、クリミアで起こるのではない。クレムリンの執務室で行われるのだ」と述べた。さらに「ロシア軍は住民投票を行う気もない。ただ、結果をねつ造するつもりだ。そうした結果を認める文明国などないだろう」と語った。(c)AFP/Olga NEDBAEVA