オゾン層破壊気体、大気中で新たに4種発見 国際研究
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■発生源の謎
研究チームは「これら排出については、明らかにモントリオール議定書の意図に反しており、発生源に関する疑問が生じてくる」と論文に記している。CFCの1種とHCFCの1種は、現在も蓄積が続いている。
これまでは、CFC7種とHCFC6種がオゾン層破壊の一因になっていることが知られていた。CFCは1989年から段階的に廃止され、2010年に全面禁止となった。
新たに特定された気体の有力な発生源としては、殺虫剤を製造する際に用いられる化学薬品や、電子部品を洗浄するための溶剤などが挙げられると研究チームは指摘している。
また分析したサンプル間で濃度に差が見て取れることから、工業化が進んだ北半球に主要な発生源があることが示唆されていると研究チームは付け加えている。
英リーズ大学(University of Leeds)のマーティン・チッパーフィールド(Martyn Chipperfield)教授(大気化学)は、4種類の気体は低濃度のため「当面は懸念をもたらすことはない」と述べた。
しかし、「これらの気体が大気中に存在し、一部は増加を続けているという事実については調査が必要だ」と同教授は付け加えている。(c)AFP/Mariette LE ROUX