【3月2日 AFP】中国南西部・雲南(Yunnan)省昆明(Kunming)市の昆明駅で1日夜に起きた無差別殺傷事件について、昆明市政府は、同国北西部・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の分離独立を目指す勢力による組織的犯行との見解を表明した。国営新華社(Xinhua)通信が伝えた。

 この事件では刃物を持った集団が駅の利用客らを次々と切り付け、29人が死亡、130人以上が負傷した。乗車券を購入する人々が並んでいた駅での惨劇は、驚きと怒りをもって受け止められている。

 新華社によると、警察は犯行グループの少なくとも4人を射殺し、逃走中の容疑者の行方を追っている。習近平(Xi Jinping)国家主席は、捜査に「全力を挙げ」、犯行に関わった者を「法に従って」処罰するよう指示したという。

 イスラム教徒のウイグル人が多く暮らしている新疆ウイグル自治区では地元住民と治安部隊の衝突は何度も発生しているが、一般市民を狙った襲撃事件は極めて少なかった。同自治区から1600キロ余り離れた、観光客に人気の雲南省でこのような事件が起きたのは前代未聞の事態。

 昨年10月に北京(Beijing)の天安門広場(Tiananmen Square)で起きた車両突入炎上事件については、当局が同自治区の一家3人を実行犯と断定している。事件では車が観光客らに突入して2人が死亡し、その後に車が炎上して車内にいた実行犯3人が死亡した。(c)AFP/Neil CONNOR