【3月2日 AFP】カナダのスティーブン・ハーパー(Stephen Harper)首相は1日、ロシアで今年6月に開催予定の主要8か国(G8)首脳会議への参加を見送る可能性を示唆した。米国はすでに、ロシアがウクライナに軍事的に関与すればサミットをボイコットする意向を明らかにしている。

 ハーパー首相は声明で、「われわれはウクライナに対するロシアの軍事介入について同盟国と歩調を合わせ、プーチン大統領をもっとも強い言葉で非難する」と述べ、「こうした行動は明らかにウクライナとその領土の主権を侵害するものであり、国際法上のロシアの義務にも違反するものだ」と指摘。駐ロシア大使を召還することを明らかにした。

 米政府高官らはすでに、ウクライナの危機が解消されない場合、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領や欧州各国の首脳がソチ(Sochi)で開催されるサミットをボイコットする可能性があると警告していた。ハーパー首相は声明の発表に先立ち、電話でオバマ大統領と会談したという。

 首相は、「プーチン大統領に対し、ウクライナからのロシア軍の即時撤退と、さらなる挑発的かつ危険な行動の自制を求める」と言明。米国などが求めている国連(UN)と欧州安全保障協力機構(Organization for Security and Co-operation in Europe)で組織する国際調整団を速やかにウクライナに派遣することについて、賛同する考えを明らかにした。

 一方、欧米各国は財政難にあえぐウクライナへの財政支援についても検討しており、カナダもこれに協力する考えだ。(c)AFP