【3月1日 AFP】タイのインラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)首相の辞任などを要求している反政府デモの指導者ステープ・トゥアックスバン(Suthep Thaugsuban)元副首相は2月28日夜の反政府集会で演説し、デモ隊は首都バンコク(Bangkok)市内で占拠してきた場所の大半から退去すると発表した。

 今月3日からはバンコク中心部のルンピニ公園(Lumpini Park)に反政府派を集約して、現政権の退陣とインラック首相の一族による政界支配を終わらせることを求める運動を続けるという。

 ステープ元副首相は、退去は反政府集会が引き起こす交通渋滞を緩和するためだと述べた。デモ隊は「バンコク封鎖」と銘打って1か月以上前からバンコク中心部にある数か所の主要交差点を占拠し、高級ショッピングモールや高級ホテルの近くで泊まり込んでいた。デモ隊はタイヤや土のうを積んでバリケードを作り、その場を通行する車や歩行者の所持品検査などをしていたため一般の住民の間に不満が出ていた。


 デモ隊が占拠した場所が主に夜間に銃や手投げ弾で襲撃される事件が相次ぎ、この数週間で反政府集会への参加者は急激に減っていた。最近ではデモ隊が占拠した場所の多くで日中はほとんど人の姿が見られず、夜の集会に数千人が参加するという状態だった。

 反政府集会に関連した暴力事件によりここ数週間で23人が死亡している。先週末にタイ東部で反政府集会が銃や手りゅう弾で襲われた2件の事件では子ども4人も犠牲になり、激しい非難の声が上がっていた。(c)AFP/Boonradom Chitradon