【2月19日 AFP】タイの反政府デモ隊が19日、インラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)首相が臨時の官邸を設置している国防省庁舎を包囲した。

 18日にバンコク(Bangkok)で発生したデモ隊と機動隊の衝突では、5人が死亡、数十人が負傷した。タイでは反政府デモが3か月以上にわたって続いており、発砲や手りゅう弾によりこれまでに警察官とデモの参加者、合わせて16人が死亡、数百人単位の負傷者が出ている。この衝突の背景は、10年近くに及ぶインラック首相の実兄、タクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相支持派と反対派との対立で、過去にも度々抗議デモが起きてきた。

 インラック首相は、政府庁舎が集まる地区の首相官邸がデモ隊に包囲されて以降ここ数週間、バンコク郊外にある国防省庁舎で会議を開いている。その建物を数千人のデモ隊が包囲した。

 包囲時、首相は建物内にはいなかったとみられる。現地では緊張状態が続いていたが、軍幹部が反政府デモ指導者のステープ・トゥアックスバン(Suthep Thaugsuban)前副首相との会合に合意したことを受けて、緊張は緩和した。

「もしもインラック首相がまだここに出勤しているのなら、われわれは毎日ここに来る」とのステープ氏は語った。

「(インラック首相が)ここで暮らせなくなるまで、われわれは一日中彼女を追いかけまわす」とステープ氏は歓声を上げる群衆に述べた。(c)AFP/Boonradom Chitradon