■「亡霊のよう」、死なせてほしいとの声も

 ヤルムークとその周辺にはかつて15万人が住んでいたが、数か月に及ぶ反体制派と政府軍との激しい戦闘で人口は4万人にまで減少した。このうち1万8000人がパレスチナ人だ。昨夏から続く政府軍の包囲で、キャンプ内の住民たちは非人道的な環境に置かれている。

 25日にヤルムーク・キャンプを訪れた国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリッポ・グランディ(Filippo Grandi)事務局長は、目撃した生活環境に「ショックを受けた」と語り、食糧配給に押し寄せた人々の様子は「まるで亡霊のようだった」と述べた。

 今のところサイードさんは、動物も食べないほど苦い薬草のスープで飢えをしのいでいるが、薬草を取りに行けば狙撃される危険があるという。キャンプでは医薬品も足りず、医師も看護師もいない中で負傷者が放置されているという。

「ここの人たちは完全に疲弊しきっている。ここから出してほしい、さもなければ死なせてほしいとまで言っている」とサイードさんは語った。(c)AFP