■ロシアの「黒海への玄関口」

 クリミア半島は、セバストポリ(Sevastopol)市にロシアの黒海艦隊(Black Sea Fleet)の駐留基地があることから、戦略上の重要性を保ってきた。

 黒海艦隊は、ソ連崩壊後にウクライナがその一部の所有権を主張したため、ウクライナ・ロシア両政府の対立の火種となった。

 長年に及ぶ抗争の末、両国の議会は2010年、ロシアが持つセバストポリの港の租借権を25年延長することを決定。ウクライナへの見返りとして、ロシア産のガスの価格は30%引き下げられた。

 ワインやタバコの産地として知られるクリミアは、亜熱帯の温暖な気候と、ヤルタ(Yalta)を代表とする多数の黒海沿いリゾートによって人気観光地となっている。(c)AFP