【2月25日 AFP】米ミュージカル映画『サウンド・オブ・ミュージック(The Sound of Music)』で、第2次世界大戦(World War II)下にナチス・ドイツ(Nazis)から逃れたオーストリアの家族のモデルとなった音楽一家の最後の生存者、マリア・フランツィスカ・フォン・トラップ(Maria Franziska von Trapp)さんが今月18日に死去した。99歳だった。

 トラップさんの異母兄弟、ヨハネス・フォン・トラップ(Johannes von Trapp)さんが23日、米CNNテレビに明かしたところによると、トラップさんは米北東部バーモント(Vermont)州の自宅で老衰のため亡くなった。

 トラップさんは、オーストリアの海軍将校だった父ゲオルク・フォン・トラップ(Georg von Trapp)さんが自分の子どもたちと結成したトラップファミリー合唱団(Trapp Family Singers)の初代メンバーの1人。ゲオルクさんと亡くなった前妻アガーテ・ホワイトヘッド(Agathe Whitehead)さんとの間にはオーストリア生まれの7人の子どもがおり、トラップさんはそのうちの3番目だった。

 トラップさんの2番目の妻、マリア・フォン・トラップ(Maria Kutschera von Trapp)さんは、1965年公開の『サウンド・オブ・ミュージック』で、ジュリー・アンドリュース(Julie Andrews)が演じ有名になった。マリアさんはトラップ一家についての本を書いており、それがハリウッド(Hollywood)で大ヒットした同作の他、ドイツ語映画2本やブロードウェー作品の下地となった。

 トラップ一家は1938年にナチス占領下のオーストリアを逃れ、翌年に渡米。1942年にバーモント州に定住、リゾート施設「トラップ・ファミリー・ロッジ(Trapp Family Lodge)」をオープンした。ロッジのウェブサイトによると、一家が最後に米国でコンサートを開いたのは1956年だった。(c)AFP