インドの都市にヒョウ出没、市民はパニック
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【2月24日 AFP】(写真追加)インドの首都ニューデリーから60キロに位置する街で、病院や映画館、住宅地などにヒョウが出没し、捕獲作戦が試みられたが失敗に終わり、市民たちの間にパニックが起きているという。
ニューデリーの北東、ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州メーラト(Meerut)の当局によると、23日に街路をうろつくヒョウが発見されたため、週明けから学校は閉鎖されている。
S.K. デュベイ(S.K. Dubey)治安判事補はAFPの取材に対し、ヒョウはまず、陸軍病院の人けのない区画で23日に発見されたと語った。その後、自然保護官が出動し麻酔銃で撃とうとしたが、ヒョウは鉄柵を壊して逃げ出し、映画館の敷地に忍び込んだ後に住宅地へ入り込んだ。その後は見失ってしまったという。同判事補は「最善の努力を尽くしたものの、ヒョウを追跡・捕獲できなかった。現在、大規模な捕獲作戦を実行中だ」と述べた。
インドPTI通信(Press Trust of India)によると、ヒョウが捕獲されるまでの間、同市内の市場を閉鎖するよう当局が命じたという。
インドでは先週、中部のチャッティスガル(Chhattisgarh)州で5歳の男児がヒョウに殺される事件が発生したばかり。生息圏が激減し、人口密集地域へと追いやられたヒョウたちによって引き起こされる一連の事件が懸念されている。
こうした現状に対する注意を喚起するために昨年、ムンバイ(Mumbai)市当局が製作した映像には、住宅地に忍び込んだヒョウが、民家の玄関で子犬をさらう様子が写っていた。
一方、ウッタルプラデシュ州北部では昨年12月以来、トラによる殺傷事件が相次いでおり、すでに10人前後の犠牲者が出ているとみられている。野生動物管理当局が懸命な捜索を行っているものの、いまだ捕獲に成功していない。
2011年の調査によれば、インド国内のヒョウの生息数は1150頭ほどとみられている。世界自然保護基金(WWF)は、森林などヒョウの生息地をより適切に管理するよう求めている。(c)AFP