ヒラリー氏の「過去ネタ」攻撃狙う共和党、米次期大統領選
このニュースをシェア
■攻撃の材料は「すべて揃う」
共和党内の一部には、こうした90年代のスキャンダルを使って再びクリントン氏を攻撃しようとする向きがある。
次期大統領選への出馬が予想される共和党のランド・ポール(Rand Paul)上院議員は、ビル・クリントン元大統領の最近のインタビューでの軽率な発言を取り上げ「人を食った態度だ」と非難している。ポール氏は共和党の大統領候補指名を勝ち取るため、党内のクリントン氏を嫌っている層や福音派の票固めを狙っているようだ。
しかし、ポール氏が望み薄とみられる共和党の指名争いで勝利したいなら、ただでさえ共和党が苦戦しがちな女性票にアピールすることを考えたほうがいいだろう。ヒラリー・クリントン氏が面目を失った過去を再び掘り起こしているポール氏に、女性たちは良い顔をしていない。
一方、ラインス・プリーバス(Reince Priebus)共和党全国委員長は米MSNBCテレビに対し、クリントン氏が民主党候補に指名された場合、攻撃の材料は「すべて揃う」と述べた。「対立候補に関する研究の成果は山ほどある。古いものも、新しいものもだ」
90年代のスキャンダルを今さらかき集めることに意味はあるのだろうか。ツイッターで政治ゲームが行われている現在からすると、90年代など大昔のように思われる。
しかし「共和党は明らかにこれを有効な戦略だと考えている」と、ニューヨーク(New York)のフォーダム大学(Fordham University)で選挙戦略を教えるコスタス・パナゴポウロス(Costas Panagopoulos)氏は言う。「私は有効だとは思わないが…ヒラリー・クリントンは長く表舞台にいるから、人々は彼女について好きなところも、嫌いなところも分かっている」
16年の大統領選へ向けて、ヒラリー・クリントン氏に対する共和党の中傷キャンペーンを複雑にしているのは、国務長官を務めた4年間の実績だ。クリントン氏はその間に、2008年にオバマ氏に負けたときにはなかった政治家としての手腕を身につけた。(c)AFP/Stephen COLLINSON