NASAにより2012年に予定運用期間2年で打ち上げられたNuSTARは、高エネルギーX線の電磁スペクトルを重点的に観測する初めての軌道望遠鏡だ。

 今回の研究には参加していない米ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics)の天文学者、ロバート・カーシュナー(Robert Kirshner)氏は、NuSTARが作製した放射性物質地図を「先駆的な科学的成果」と評した。

「星は、ある元素を別の元素に変えるという、錬金術のようなことを行っている」とカーシュナー氏は説明する。

「地球自体も、この天文学的プロセスの残留物でできている」

 自動車に使われる鉄、骨の中にあるカルシウム、人工股関節に用いられるチタンなどの形成に、星の爆発は重要な役割を演じてきたと、カーシュナー氏は語る。

「私たちはみな星くずであり、NuSTARは、体の交換部品も含めた私たちの生まれた場所の観測を行っているのだ」(c)AFP/Kerry SHERIDAN