この試合、先発にフランス代表のオリヴィエ・ジルー(Olivier Giroud)ではなく、ここまでほとんど出場機会のなかったヤヤ・サノゴ(Yaya Sanogo)をサプライズ起用したベンゲル監督は、序盤からチームが期待の持てるプレーを見せるなかで、不運を呪いたい展開を迎えた。

 アーセナルは、立ち上がりから積極的な攻勢を仕掛けて明らかにアウェーのバイエルンを慌てさせ、前半9分には絶好の先制の機会を迎えた。

 ジャック・ウィルシャー(Jack Wilshere)の完璧な強さのスルーパスをDFラインの背後で受けたエジルが、トラップから上手い切り返しで内側に切れ込むと、フェイントにかかったCBのジェローム・ボアテング(Jerome Boateng)は足を引き切れず、エジルをピッチに倒した。

 ニコラ・リッツォーリ(Nicola Rizzoli)主審はこのプレーでアーセナルにPKを与えたが、このところ調子を落としているエジルには迷いがあったと見られ、正面に蹴った素直なキックは、子供の頃からの友人であるGKマヌエル・ノイアー(Manuel Neuer)に右手1本で防がれた。

 グアルディオラ監督率いるバイエルンはそこから徐々に落ち着きを取り戻し、こちらも前半40分に先制かと思われたチャンスを迎えた。

 アリエン・ロッベン(Arjen Robben)がクロースに簡単にボールを預け、そのままペナルティーエリア内に猛然と走り込むと、クロースからの浮き球のリターンパスを棒立ちのアーセナル守備陣の裏で受けた。

 すると、ロッベンに最初のトラップでかわされたアーセナルのGKシュチェスニーが相手の脚に接触。PKを与えるとともに、ベンゲル監督就任後の18年間でアーセナルにとって100枚目となるレッドカードを受けた。

 ところがしばらくの中断を挟み、アーセナルがGKにルカシュ・ファビアンスキ(Lukasz Fabianski)を入れて迎えたPKで、バイエルンの左サイドバックのアラバは中断によって調子を狂わされたのか、キックはポストに当たって大きくはじき出された。