【2月12日 AFP】昨年12月末に妊娠22週目で倒れ、脳内出血による脳死と判定されたカナダの女性が8日夜、男児を出産した。女性は出産するまで生命維持装置によって延命されていたが、出産の翌日、装置が外され、死亡した。夫が10日、ブログで発表した。

 ディラン・ベンソン(Dylan Benson)さん(32)は、妻のロビン(Robyn Benson)さん(32)の身に起きた不幸と、息子の出産に向けた準備をブログでつづっていた。

 ブリティッシュコロンビア(British Columbia)州ビクトリア(Victoria)の病院の医師らは妊娠34週目まで出産を待とうとしていたが、8日夜、妊娠28週目に帝王切開で男児の出産を行った。

 出産後、医師らはロビンさんの生命維持装置を外し、ロビンさんはまもなく死亡した。「9日、残念ながら、私が出会った中で最も強く、最もすてきな女性に別れを言わなければならなかった」「言葉で表現できないほどロビンが恋しい」と、ディランさんはブログで語った。

 ディランさんのブログは世界中の人々に読まれ、息子の医療費のために15万2000カナダドル(約1400万円)の寄付金が集まった。ディランさんは、息子は早産ではあるが健康だと述べ、集中治療室で赤ちゃんを抱いた写真を公開した。写真に付けられたタイトルは「心の底から悲しい、だがとてつもなく誇らしい」だった。(c)AFP