■感染症で抜歯、合わない器具でけが

 テンさんはその後、11月に行われるGPシリーズ第3戦、中国杯(ISU Grand Prix of Figure Skating Cup of China 2013)に向け調整を始めた。

「背中は回復してきたが、感染症が足からあごに広がり、抜歯が必要になった。翌日、(歯科)治療の影響で体調が優れない中、今度は左の足首をひねってしまった。2回目のGPにはどうしても出場したかった。今シーズンまで欠場したことがなかったし、さらにもう1大会欠場したくなかった」(テンさん)

 結果は4位入賞だった。

 さらにテンさんの身に災難が降りかかった。テンさんはスケート靴に問題を抱えており、11月のオーストラリアでのトレーニングを中止。さらにイタリアで行われた次の大会では靴が柔らかすぎたことが原因で足首を負傷した。

 テンさんがトレーニングに戻れたのは、それから数週間後のクリスマスの日だった。

「まだこの問題に取り組んでいる。気づいたとは思うけど、私は2種類の靴でスケートをしている」と、テンさんはソチ冬季五輪のアイスバーグ・スケーティング・パレス(Iceberg Skating Palace)でトレーニング後に語った。

「片方は革製だがもう一方は違う。まだ100%ではないけれど、ここではベストを尽くすつもり。誰もが課題を抱えているし、けがは選手である以上つきもの。その中でやり遂げて、ソチではベストのスケートをするよ」

(c)AFP