【2月6日 AFP】イラクの首都バグダッド(Baghdad)中心部で5日朝、爆弾攻撃が相次ぎ、33人が死亡した。バグダッドではこのところ治安が悪化し、過去6年で最悪の状況となっている。

 政府機関や各国大使館などが集中し警備が厳重な市中心部のグリーンゾーン(Green Zone)近くでは、朝のラッシュ時を狙って3件の爆発があり、うち少なくとも1件は自爆攻撃だった。また、1発が外務省のすぐ近くで爆発したが、治安当局が自動車爆弾だったと発表したのに対し、目撃者はこれも自爆攻撃だったと証言している。治安当局と医療筋によると一連の爆発で25人が死亡し、35人が負傷した。

 一方、グリーンゾーンからほど近いレストランと市場でもそれぞれ爆発が起きた。夕方には市南東部で自動車爆弾3個が爆発し8人が死亡、少なくとも32人が負傷。さらに市中心部の路上でロケット弾による攻撃があり5人が負傷した。

 犯行声明は出ていないが、バグダッドでは過去に「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the LevantISIL)」などのスンニ派(Sunni)武装組織が類似した攻撃を行っている。イラクでは現在、治安部隊が西部アンバル(Anbar)州でISILをはじめとする武装勢力の掃討作戦を実施している。 

 治安状態が2008年以降最悪となる中、国際社会はシーア派(Shiite)主導のイラク政府に対しスンニ派との協議を強く求めているが、4月に議会選挙を控えたヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相は強硬路線を取り続けている。(c)AFP/Salam FARAJ