【2月1日 AFP】同性愛者である娘のハートを射止めた男性に10億香港ドル(約130億円)を支払うとしていた香港(Hong Kong)の富豪、趙世曾(Cecil Chao)氏(77)は先月30日、この提案を撤回する意向を示した。

 娘の趙式芝(Gigi Chao)さん(34)は先月29日に香港上場の不動産会社・卓能(Cheuk Nang)の社長で派手な行動で知られる父親の趙氏に宛てた公開書簡を発表し、自分の性的指向を受け入れるとともに、9年来のパートナーを「普通の、尊厳ある人間」として扱ってほしいと求めていた。

 世曾氏は30日、米CNNのインタビューに応じ、「娘が差し当たってそうある(同性愛者である)ことを望むなら、今回の件はやめにする」と述べた。「お金で娘に幸福を買ってやろうとしているわけではない。娘の幸せは娘自身が選ばなければならないが、私は自分の資金力で娘に選択肢を与えることはできる」

 しかし世曾氏は「娘はまだ33歳。人生に変化は付き物だ。私も33歳の頃と比べれば、大きく変わった」とも述べ、娘の性的指向が今後、変わる可能性もあると考えていることを示唆した。

 また世曾氏は「娘のパートナーを受け入れているのは娘」として、式芝さんの同性のパートナー楊如芯(Sean Eav)さんを趙家の一員として受け入れることは断固として拒否する考えを示した。(c)AFP