【1月29日 AFP】国連(UN)の災害対策責任者は28日、気候変動による洪水がセネガルの緊急課題となっていると警告した。同国内の一部の町は年間の大半を通じて水没している状態だという。

 新たな世界防災戦略の準備としてセネガルを3日間の日程で訪れているマルガレータ・ワルストロム(Margareta Wahlstrom)国連事務総長特別代表(防災担当、United Nations Special Representative of the Secretary-General for Disaster Risk Reduction)は、AFPの取材に対し、年10か月にわたって道路が冠水している沿岸部や河川ぞいの町の首長たちと面会したと語った。

「行動の必要性は差し迫ったものだ。洪水問題は深刻で、極めて緊急性を要するものだ」とワルストロム特別代表は述べた。さらに、「首長たちの話を本日聞いたが、『12か月中10か月水没している』と訴える者もいた。それが全てを物語っているだろう。事態は深刻で、それゆえにセネガル当局は洪水に細心の注意を払い、最優先事項としているのだ。都市の拡大が加速すればするほど、この問題は深刻さを増す」と語った。

■深刻化する洪水「アフリカのベネチア」

 ワルストロム氏は、セネガル川(Senegal River)の河口にある「アフリカのベネチア」と呼ばれるサンルイ(St Louis)を視察し、気候変動の影響を目撃した。

 サンルイは2008年、国連ハビタット(国際連合人間居住計画、UN-Habitat)の当局者により「アフリカ全体で海面上昇により最も脅威にさらされている都市」とされた。気候変動に加え2003年の運河計画が失敗したことが要因とされている。(c)AFP