【1月27日 Relaxnews】建築の世界的巨匠である故フランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright)が1950年代に設計した米ニュージャージー(New Jersey)州の邸宅が、洪水被害対策として、約2000キロ離れたアーカンソー(Arkansas)州に移築されることになった。

 約60年前に建築されたニュージャージー州ミルストーン(Millstone)にある「バックマン・ウィルソン・ハウス(Bachman Wilson House)」は、ライトがニューヨーク(New York)のグッゲンハイム美術館(Guggenheim Museum)を手掛けていた当時に設計を依頼された面積190平方メートルの低層邸宅。近くを流れる川の氾濫で繰り返し被害を受けたことから、所有者らが2012年に内装ごと洪水被害を受けない場所で保存することを条件に売却先を探していた。

 買い手となったのは米小売大手ウォルマート(Walmart)の創業者一族ウォルトン(Walton)家が11年に開館したクリスタル・ブリッジズ米国美術館(The Crystal Bridges Museum of American Art)だ。買収額は公表されていないが、移動費用を含めて150万ドル(約1億5400万円)と推計されている。

 クリスタル・ブリッジズ美術館のロッド・ビゲロー(Rod Bigelow)理事長は、「米建築の貴重な実例を保存し、共有できるのは喜ばしい」との声明を発表した。バックマン・ウィルソン・ハウスは約50ヘクタールの敷地に移築され、15年から公開予定という。(c)Relaxnews/AFPBB News