【1月24日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は23日、インターネットを「神からの贈り物」と位置付け、信者らに対し「臆することなくデジタル世界の市民になる」よう呼び掛けた。

 毎年「世界広報の日(World Communications Day)」には、法王がメッセージを発信している。昨年の選出後初めて迎えたこの記念日に、アルゼンチン出身の法王は「インターネットは出会いと連帯の計り知れない可能性を与えてくれる。これは真に良きものであり、神からの贈り物だ」として、「臆せずデジタル世界の市民になろう。われわれのコミュニケーションが、痛みを和らげる薬と心を明るくする美酒となるように」と促した。

 フランシスコ法王は77歳ながらマイクロブログのツイッター(Twitter)を積極的に活用しており、1000万人以上のフォロワー数を誇っている。その一方で、バチカンのサンピエトロ広場(St Peter's Square)に集まる多数の信者らの間を頻繁に歩いては、病気や障害を抱える人々に抱擁を与えており、人間関係と直接的な触れ合いの重要性に言及することも忘れなかった。

「よく思うことだが、もし通りに出て傷を負った教会と、自分の殻に閉じこもったきり出られない教会のどちらかを選ばなければならないとしたら、私は迷いなく前者を好む。この『通り』こそ、人々が暮らしている世界であり、確実に、愛情を持って人々に接することのできる世界だ。デジタルの高速道路もその一つで、そこは傷ついた人々、救済や希望を求める男女であふれている」

 ただし、デジタル世界に1日24時間つながっていたいという欲求のせいで、かえって社会から孤立することがあってはならないと戒め、「デジタル高速道路に単に『接続している』ことに甘んじ、そこを行き来しているだけでは不十分だ。つながりは、真の出会いへと深める必要がある」と説いた。(c)AFP