【1月23日 AFP】シリア内戦終結へ向けた過去最大規模の協議である国際和平会議「ジュネーブ2(Geneva 2)」が22日、スイスのモントルー(Montreux)で始まった。会議初日は、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領の進退をめぐり、政権と反体制派、また立場を異にする大国同士が激しく対立した。

 会議1日目には、政権と反体制派の双方を含む協議に先立ち、各参加者の公式演説が行われた。国連(UN)の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は初日の終わりに開かれた記者会見で、シリア政権側と反体制側に対し、流血の事態を終わらせるため協力し合うよう求めた。

 しかし、2011年3月に紛争が始まって以来、双方が初めて対面したこの日の両代表団の公式発言には、妥協の兆しは何も見られなかった。

 シリア政府高官らは、反体制派を「反逆者」や外国の手先と断じ、アサド大統領は政権を退かないと強調。一方の反体制派は、同大統領は退陣し裁判にかけられなければならないと訴えた。

 シリア反体制派の統一組織「シリア国民連合(Syrian National CoalitionSNC)」のアハマド・ジャルバ(Ahmad Jarba)代表はアサド政権に対し、2012年スイスのジュネーブ(Geneva)の和平会議で合意された「アサド大統領からの権力の移行」の計画に「直ちに」同意することを求めた。

 また、ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官も、アサド大統領の移行政権への参加はあり得ないと主張した。

 セルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)露外相は、和平協議が「簡単にも、迅速にも進まないだろう」と警告した一方で、この「歴史的機会」を逃さないよう、双方に求めた。

 会議には約40の国と国際組織が参加したが、直接の協議は早くても24日まで始まらない見込み。同日には、ジュネーブで政権側と反体制派側の交渉が始まり、関係当局者らによると7~10日間継続する可能性がある。(c)AFP/Michael MAINVILLE