■高い評価

 米航空誌「Flying」や革新的なデザイン・技術を紹介するウェブサイト「Inhabitat.com」はエアロモービルを「これまでで最も魅力的なデザインの空飛ぶ車」と評価した。

 デザイナーでもあるクラインさんは、BMWやフォルクスワーゲン(Volkswagen)、アウディ(Audi)といった自動車メーカーでのデザインに携わった経験を持っている。

 またスロバキア超軽量動力機連盟(Slovak Ultra Light Aviation Federation)の会長ミラン・チバ(Milan Ciba)氏は「世界全体ではこれまで、空飛ぶ車の製作が20例ほど試みられてきたが、その中で最も生き残る可能性が高いのはエアロモービルだと思う」とコメントした。

「空飛ぶ車」をめぐっては、米航空機ベンチャーのテラフジア(Terrafugia)社が2人乗りの陸空両用航空機「トランジション(Transition)」を1年以内に市場へ投入する予定。またオランダの企業が開発したジャイロコプター型陸空両用車「PAL-V(Personal Air and Land Vehicle、個人用陸空両用車)」も今年中に発売となる可能性がある。

 クラインさんのチームは現在、次世代エアロモービルの開発に取り組んでいる。近い将来に製品化し、超軽量動力機として正式な認可を得たいとしている。

 しかし熱心なパイロットでもあるクラインさんだが、エアロモービルの今後についてはあくまで現実的な未来像を描いているようだ。

「エアロモービルを大量生産しようとは思わない。移動手段として、選択肢の一つになればと思う。ただ、ロシアや中国、オーストラリアといった、インフラストラクチャーがまだ十分に整備されていない場所が残っている国では、(エアロモービルは)興味深い存在になると思うよ」

(c)AFP/Tatiana JANCARIKOVA