【1月16日 AFP】ナイジェリアで同性婚などを禁止する法律が成立したことを受け、同国北部最大の都市カノ(Kano)のイスラム法(Sharia)執行当局は15日、同性愛活動の取り締まり強化を宣言した。

 一方、北部バウチ(Bauchi)州のイスラム法裁判所は同日、同性愛禁止法に違反したとして男性5人を訴追したと発表。また非政府組織(NGO)によると、同州の警察は160人の容疑者の名前を列挙したリストを作成し、逮捕へと動いている。

 ナイジェリアは以前より同性愛禁止法を持つ世界78か国のうちの1国で、特にイスラム法と州・国の司法制度が並存する北部の各州では、実例はほとんどないものの、同性愛の罪には死刑判決が下される可能性もある。だが今週、さらに同性婚を禁止する法律が成立したことが明るみに出たことにより、国際社会からは強い反発が出ている。

 カノ州の宗教警察ヒズバ(Hisbah)の副長官を務めるウスマン・ナバハニ(Usman Nabahani)氏は、AFPの取材に対し、同性同士の結婚と市民パートナーシップを禁止する新法は「歓迎すべき展開」と語り、「この法律の執行のためにたゆまぬ努力をする」と述べた。

 ヒズバはこの数か月、イスラム教徒が多数派を占めるカノで売春組織と麻薬常習者の取り締まりを行ってきたが、今後は同性愛者に対しても同様の取り締まりを行うことを誓っている。ナバハニ氏は、国の法令を執行するために治安当局と連携して「ゲイとレズビアンに対して同様の摘発を実施する」と付け加えた。

「これからは、健全な社会をめざし、カノ州の隅々までしらみつぶしに捜査して、売春や同性婚、飲酒(の禁止)の完全なる順守を徹底する」

「われわれは、こういった問題に真剣な闘いを挑むための、さらに大きな権限と支持を得た」