【1月16日 AFP】米研究者らが開発した世界初のクラゲ型の飛行装置が15日、英国王立協会(British Royal Society)の学術誌「Journal of the Royal Society Interface」で発表された。

 この小型飛行装置は重量わずか2.1グラムと超軽量だ。海中のクラゲのように飛行する飛行装置としての開発は世界初となる。

 ニューヨーク大学(New York University)の応用数学研究室でスティーブン・チルドレス(Stephen Childress)氏とともにこの飛行装置の開発に取り組んだライフ・リストロフ(Leif Ristroph)氏は、「最初はヘリコプターに取って代わる昆虫型のロボットを開発したいと考えていた。それが、ちょっと風変わりな方向で落ち着くことになったのが、クラゲというわけだ」と語る。

 リストロフ氏らが開発したこのクラゲ型の飛行装置は、長さ8センチの花びら型の羽4枚が下向きに組み合わさった円錐型をしており、クランクシャフトに取り付けられた小型モーターによって、1秒間に約20回羽ばたきする仕組みとなっている。

 AFPの電話取材に対しリストロフ氏は、開発したのは「オーニソプター」だと述べ、自律安定性が高く、他の制御システムを必要としないことからエネルギーのロスがないと説明した。

 クラゲ型飛行装置の材料は全て市販のものばかりが利用されている。モーターを支える骨組みと羽枠は軽量のカーボンファイバー、羽は薄いフィルムでできており、すべて一般的な航空模型ショップで調達可能だという。(c)AFP/Richard INGHAM