【1月15日 AFP】米フロリダ(Florida)州の映画館で13日、上映直前に携帯電話でメールのやり取りをしていた男性が元警察官の男と口論になり、射殺される事件があった。

 同州パスコ(Pasco)郡の地裁のリン・テッパー(Lynn Tepper) 判事によれば、同州タンパ(Tampa)在住の元警部カーティス・リーブス(Curtis Reeves)容疑者(71)は、同州ウェズリーチャペル(Wesley Chapel)の映画館で、チャド・オールソン(Chad Oulson)さん(43)に向け発砲した後、第2級殺人の疑いで拘束された。同州当局によると、保釈請求の申請は14日に却下されたという。

 警察の調書によると、事件が起きたのは、特殊部隊を題材にしたアクション映画『ローン・サバイバー(Lone Survivor)』の上映が始まる直前。2人は、オールソンさんのスマートフォン(多機能携帯電話)使用をめぐって口論となり、リーブス容疑者は所持していた拳銃でオールソンさんに向け1回発砲。また、被害者の妻ニコール(Nichole Oulson)さんも、夫を銃弾から守ろうとして手を負傷した。

 一方、目撃者の話では、オールソンさんはスマートフォンを使うのをやめるよう注意するリーブス容疑者を無視したとされている。容疑者が再び声をかけたところ、持っていたポップコーンの袋を容疑者に投げ付けたことから、事件につながったという。

 一部の報道によると、容疑者は「脅威にさらされている」と感じたため発砲したと主張している。同州では「正当防衛法(スタンド・ユア・グラウンド法)」によって危機にさらされた場合の発砲が認められていることから、同法に基づき発砲行為を正当化しようとしているものとみられる。

 人口約1900万人のフロリダ州では銃の所有が一般的で、銃所持の許可証を取得している人は100万人を超えている。(c)AFP