【1月10日 AFP】携帯電話の普及で使われなくなった電話ボックスが9日、チェコ・プラハ(Prague)の病院で「ミニ図書館」として第二の人生を歩み始めた。

 プラハ市内にある臨床実験医学研究所(IKEM)付属病院の廊下に設置された赤い電話ボックスには、チェコやロシアの小説が並び、米人気作家ジョン・グリシャム(John Grisham)の作品や、故ダイアナ妃(Princess Diana)へのインタビューに基づくアンドリュー・モートン(Andrew Morton)の著作「ダイアナ妃の真実(Diana: Her True Story)」などもある。患者なら誰でも自由に本を借りて読むことが可能だ。

 この斬新な病院患者図書館は、あるチェコ人女性とその友人のアイデアで実現したものだ。英国で始まった「電話ボックス図書館」プロジェクトに触発された2人は、地元の電話会社の協力を得て、電話ボックス内に木製の棚を入れて本棚に改造した。現在700冊の本が手元にあり、寄付の申し出も多いことから、今後はショッピングセンターなどにも同様の「ミニ図書館」を増やしていく計画だという。

 電話会社テレフォニカ(Telefonica)のチェコ法人によれば同国内には今も1万3000個の電話ボックスがあり、既にプラハ市内9か所の電話ボックスを図書館にする計画があるという。

 ただ、IKEM付属病院で生花販売を営む女性は、チェコの盗難被害の多さに懸念を示し、「盗まれないかしら。本棚にずっと本が残っていたらいいんだけど」と述べている。(c)AFP