【1月7日 AFP】インドで行われていたレイプをめぐる訴訟で、男性は事前に結婚を約束していたので無罪だとする判決を下した裁判官が、婚前交渉は「不道徳」であらゆる宗教に反し、教育を受けた女性であれば、相手が自分と結婚すると信じていても性行為を行うべきではないと言い渡した。

 インドPTI通信(Press Trust of India)によると、首都ニューデリー(New Delhi)で同裁判を担当したビレンデル・バット(Virender Bhat)判事は、29歳の男性は行為の前に結婚を約束していたので無罪だとした後、「教育を受けた働く大人の女性は、性行為の際は自らの責任で」と述べた。

 この裁判は、ある女性が多国籍企業に勤務する男性にレイプされたとして、2011年5月に起こしたもので、女性側は06年7月にインターネットのチャットサイトで知り合った男性から結婚の約束を得たために数回、性交渉を持ったと主張していた。

 1990年代の経済改革によって社会が急速に変化している今も、インドの多くの地域では婚前交渉はタブーとされている。

 バット判事の発言は前月末のものだが、6日になり初めて現地で報道された。同判事の発言の前には別の判事が、同棲は不道徳であり「西洋文化の悪しき産物」だと述べている。(c)AFP