■増加するショールームと販売台数

 アフリカでは、一方で極貧層が増加しているが、自慢げに高級車を乗り回している様は、一方で富裕層が成長していることを示している。

 自動車メーカーがこのビジネスチャンスを見逃すはずがない。ポルシェはナイジェリアのラゴスで最もセレブな地区にショールームを開設した。同社の南アフリカでの売り上げは過去2年で40%近くも急増。最近、アンゴラやガーナ、ナイジェリアでも販売店を開いたという。

 今年の第3四半期まででポルシェはサハラ砂漠以南のアフリカで2000台を売った。今後も大陸全土に販売網を拡大する予定だ。

 メルセデスもアフリカ市場の潜在能力に大きな期待を寄せている。すでに南アフリカに工場をもち、年間販売台数は2万台だ。

 BMWはアフリカで2012年、前年比15%増の3万4000台を売り上げた。

■アフターサービスの問題も

 これら自動車メーカーはアフリカ市場への進出にともない、アフターサービスの充実を図る必要もある。アビジャンでは現状、車の部品が手に入らなかったり故障を診断する機器が不足していたりするため、高級車が車庫などに入ったままになっていることも少なくない。

「ポルシェがコートジボワールにきたら、専門の工場で修理してもらうことに客たちは大喜びするだろう」と、アフリカの自動車市場の専門家は言う。

 とはいえ、「正規のディーラーから新車を買わなくてはならないというわけでもない」と、彼は付け加えた。「金持ちもほかの客と同じだ」。いい状態でずっと安い中古車があれば、そちらを選ぶというわけだ。 (c)AFP/Joris FIORITI