【1月7日 AFP】 ポルシェ(Porsche)にレンジ・ローバー(Range Rover)にマセラティ(Maserati)──コートジボワールのアビジャン(Abidjan)の街にあふれるぼろ車の中を、高級車がすり抜けていくさまはもう珍しい光景ではなくなった。これもまた、アフリカで富裕層が台頭している証しだ。

 これら高級車の値段は、低く見積もっても数万ユーロは下らない。コートジボワールの最低賃金は最近60%も引き上げられ、6万CFAフラン(約1万3000円)になったとはいえ、庶民の何十年分もの年収に相当する。

 だがアビジャンの富裕層が住む地区は、欧州の都市部の裕福な地区より多くの高級車でいっぱいだ。南アフリカのヨハネスブルク(Johannesburg)やナイジェリアのラゴス(Lagos)、ガボンの首都リーブルビル(Libreville)でも同様の光景が見られる。

■人気はSUV

 リーブルビルでは海岸沿いの道にスポーツ用多目的車(SUV)の列ができている光景は日常的となった。裕福なアフリカの人々は大きくて車体が高い四輪駆動車をとりわけ好む。きちんと整備されていないアフリカの道に適しているというだけでなく、ステータスシンボルになっているのだ。

 ガボンでは毎年販売される新車6000台のうち7割は四輪駆動車で、ほとんどが日本製だという。「ここでは四駆じゃないと車じゃない」と、ある輸入業者は語る。ガボンの人々にとってSUVは「マイホーム以上に成功の象徴」になっているという。

 しかし新車に対する税金の高さから、好況を呈しているのは中古車市場だ。アフリカでみられる高級車の多くが、欧州や米国、中東から輸入された中古車だ。

 でこぼこの道にもかかわらず、アビジャンには、ランボルギーニやフェラーリなど車体の低いスポーツカーを売り込む輸入業者もいる。