【1月2日 AFP】バルト3国のひとつラトビアは1日、欧州単一通貨ユーロを導入した18か国目の国になった。

 新年を迎えた首都リガ(Riga)の上空には、盛大に花火が打ち上げられ、ユーロの導入を祝った。しかし国民の多くはこれまで使用していた通貨ラト(Lat)からの切り替えに不安を隠し切れない様子だ。ラトは、過去に旧ソ連から独立を果たした際のシンボルとして国民からの支持は高かった。

 国民の間では、ユーロ導入による物価上昇や債務危機などにあえぐユーロ圏入りに対する不安の声が根強い。事実、世論調査では、ユーロ導入を歓迎している割合が約25%にとどまっている。近年、ユーロ圏のうちの5か国が国際社会からの救済支援を受けていることもあり、ラトビア国民の約半数は、過去20年間で3度目となる新通貨の導入に反対している。

 しかしながら、緊縮政策を通じて財政赤字を削減し、ユーロ導入に向けての基準をクリアしたラトビアのバルディス・ドムブロフスキス(Valdis Dombrovskis)暫定首相は、ユーロ導入を祝う式典として、現金自動預払機(ATM)から10ユーロの新札を引き出し、ユーロの導入を同国経済にとっての「大きな好機」と評した。(c)AFP/Mike Collier