【1月8日 AFP】スケートボーダーとゴルファーの間にはあまり多くの共通点があるとは言い難いが、米国のある企業家が、この双方にアピールするような乗り物を開発した。

「ゴルフボード(GolfBoard)」と名付けられたこの乗り物は、最近カリフォルニア(California)州で開催されたチャリティーイベントでお披露目された。見た目はモーターで駆動するスケートボードで、ゴルフ客と道具一式を乗せてコース内を快適に移動してくれる。

 従来のゴルフカートの代わりにゴルフボードを利用すると、ゲームの進行スピードを上げることができ、またプレーの合間にちょっとした運動にもなるいった利点も生まれるという。

 幅38センチのボディーに3.5インチのワイドタイヤが取り付けられたゴルフボード。1回の充電で最高36ホールを回ることが可能だ。アップアンドダウンの激しいコースで体重110キロ超のゴルファーが使ったとしても、最低18ホールを回ることができるよう設計されているという。移動スピードも時速19.3キロを誇り、ゴルフカートと比べても遜色ない。

 ゴルフボードの発案者は、米カリフォルニア(California)州ロサンゼルス(Los Angeles)郡西部のマリブ(Malibu)で暮らすドン・ワイルドマン(Don Wildman)さん(80)だ。フィットネスクラブ「バリー・トータル・フィットネス(Bally Total Fitness)」の創業者であるワイルドマンさんは、若者への「アピール力」に欠けるゴルフの現状に危機感すら覚えるという。

 マリブ・カントリークラブ(Malibu Country Club)のクラブハウスで行ったAFPの取材でワイルドマンさんは「スノーボードがスキーに対して貢献したことを、ゴルフボードがゴルフにもたらしてくれるだろう」とコメントしている。

 ゴルフボードの開発・生産を行う「ゴルフボード」のポール・ホッジ(Paul Hodge)社長も同様にゴルフ界の現状に苦言を呈した。

「ゴルフ業界を本当に成長させ、マス・マーケットで受け入れられたいのなら、古びた伝統にしがみつくような考え方は捨てなければならない。ゴルフをもっと楽しく、若者たちを惹きつけるものにする必要がある」(ホッジ社長)

 ゴルフボードの価格は1台3500ドル(約37万円)に設定されている。ホッジさんによるとすでに2000台を受注しており、今月からは月1000台のペースで生産を進めるという。

 ゴルフボードのターゲット層は15~40歳と想定していたと話すホッジ社長だが、「予想よりも年齢層の高いゴルファーたちから驚くほどの反響がある。立って操作するためのハンドルバーを取り付ければ誰でも簡単に運転できるのでターゲット層が非常に広がった」と嬉しい誤算もあったようだ。