■ゲットウの可能性

 ゲットウの効果については少しずつだが知られ始めており、地元では「小さな家内産業」もちらほらと現れている。

 ゲットウの効果を実感しているという上原けいこさんは、那覇市内でゲットウを主成分とした美容関連製品の販売店を営んでいる。上原さんによると、ゲットウは地元沖縄で昔からサンニンと呼ばれて親しまれてきたもので、お茶として飲んで体の中から若返るとの考え方があるほか、老化防止のために抽出液を肌に塗ることでしわを予防することもできるという。

 那覇市郊外にあるゲットウ農園を営む喜納イサムさんも、その効能に高い期待を抱いている一人だ。「沖縄県内の商品だけではなくてですね、本土、世界に向けてですね、展開していきたいなと、思っております」

 ようやく人々がゲットウの可能性に気付き始めたと話す多和田教授は、この植物に沖縄を変革する力すら感じているという。

 今や化粧品にも利用されるようになったゲットウ。でもそれは大きな可能性の一部でしかない。多和田教授は医療やその他の分野でもこの植物が力を発揮すると考えており、将来的には沖縄経済の起爆剤になってほしいと願っているという。(c)AFP/Antoine BOUTHIER