【12月27日 AFP】赤十字国際委員会(International Committee of the Red CrossICRC)は26日、キリスト教徒とイスラム教徒の衝突が3週間にわたって続いている中央アフリカの首都バンギ(Bangui)で、25日以降およそ40人の市民の遺体を収容したと発表した。

 スイス・ジュネーブ(Geneva)にいるICRCの広報担当者は、「25日以降、約40人の遺体が収容され、約30人がけがの応急処置を受けた」と述べるとともに、平和維持活動(PKO)に従事するチャド人兵士らがデモ隊に向けて発砲して緊張が高まった23日には約60人の遺体が収容されていたことを明らかにした。ICRCは、一連の衝突で死亡した人の総数をまだ把握できていないという。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、12月5日からの2日間で少なくとも1000人が死亡したとしているが、その後の死者数について信頼できる情報はない。

 25日には新たに激しい戦闘が発生し、アフリカ連合(AU)の平和維持活動に参加していたチャド人要員5人が死亡。パニックに陥った数千人の住民が、フランスとアフリカ諸国が派遣した平和維持部隊が拠点としている空港に避難した。

 アフリカ連合の報道官は26日、「昨日のバンギは完全に混沌とした状態で、それが夜まで続いた。いったい何が起きたかを究明すべく、今日われわれは努力しているところだ」と述べており、チャド人要員が死亡した経緯ははっきりしていない。(c)AFP/Xavier BOURGOIS and Christian PANIKA