【12月26日 AFP】内戦状態に陥ってから3回目のクリスマスを迎えたシリアのグラフィックデザイナーらが25日、祖国を荒廃させている戦渦を風刺したクリスマス・アート作品をインターネット上に公開した。2011年から続く内戦ではこれまでに12万6000人以上が死亡し、数百万人が周辺国に逃れて難民となっている。

  最も強烈な印象を与える作品の1つは、紺ぺきの星空を駆けるサンタクロースが、トナカイではなく戦闘機に引かれたそりに乗り、プレゼントではなく爆発物をドラム缶に詰めた「たる爆弾」を投下する姿を描いた作品だ。

 シリア北部アレッポ(Aleppo)周辺ではクリスマスイブの24日にも「たる爆弾」を使ったシリア政府軍の空爆があり、11日連続の空爆による死者数は400人を超えた。死者の中には117人の子どもが含まれている。

 他の作品では、雪の積もった墓地で並んだ墓石の前でサンタクロースがうなだれ、子どもたちにプレゼントを贈れなかったことを嘆いている。この作品には「サンタクロースとシリアの子どもたち」という題名が付けられている。

 また、破壊された街の人々の頭上にもくもくと巨大なクリスマスツリーの形の黒煙が立ち上る様子を描いた作品もある。黒いクリスマスツリーの上には小さな星が1つ輝いているが、そのそばにも戦闘機が描かれ、「クリスマスおめでとう!バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)より」とのメッセージが皮肉たっぷりに添えられている。(c)AFP