対するハル・シティのブルース監督は、時間さえ経てば、モイーズ監督率いるユナイテッドも間違いなく恐るべき力を持つようになると考えている。

 アレックス・ファーガソン(Alex Ferguson)が退任してから初めてのシーズンとなる今季、ユナイテッドはここまで安定感のなさに苦しんできたが、ユナイテッドで主将を務めた経験もあるブルース監督は、それは元から予測できたことだとの見解を示した。

「誰が引き受けたとしても、監督にとっては難しい仕事になっていたはずだ」とブルース監督は言う。

「何をしても、いつも必ずサー・アレックスの存在が付きまとう。誰が新監督になったとしても、多少は時間が必要だったはずだ」

「うれしいことに、ユナイテッドはデビッドに6年契約を提示した。クラブはデビッドに時間を与えるだろうし、それは正しい判断だと思う。サー・アレックスという、あれだけの成績を残した人物の後を継ぐことが、簡単なはずがない」

 ユナイテッドの選手として9年間でリーグ戦を3度、FAカップ(FA Cup)を3度制してるブルース監督は、モイーズ監督がエバートンから移り、前シーズン王者を率いる機会を得たことをうれしく思っている。

「ずば抜けた監督だよ、デビッドは。すべてがカチッとはまるのは単に時間の問題だ。どんな監督でもそうだが、今後はそこに自分の色を加えなくてはならない。自分だけの特徴が必要になるんだ」

「この何年かでデビッドは、優れた監督とはどういうものかを証明してきた。彼はサッカー人だし、われわれサッカーに関わる人間は、少なくとも英国の人間は、デビッドのような人物にああいう大きな、最高の仕事が回ってきたことを喜んでいる。それにふさわしい人間だからだ」

 ハル・シティは敵地で1-1で引き分けたウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン(West Bromwich AlbionWBA)とスウォンジー・シティ(Swansea City)戦、0-0のスコアレスドローに終わった本拠地でのストーク・シティ(Stoke City)戦と、ここ3戦を不動の先発メンバーで戦っており、ユナイテッド戦でもブルース監督はこの11人への信頼を貫くとみられる。(c)AFP/Ian WHITTELL